東京よみうり カントリークラブ
東京都・稲城市

東京の中心部から車で約40分の場所に位置する「東京よみうりカントリークラブ」は、1964年(昭和39年)に開場。毎年12月開催の男子プロゴルフツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の舞台になっています。
「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、その年の賞金ランキング上位者やツアー優勝者など、年間を通して活躍した30名のゴルファーが優先して出場できるため、賞金王争いによる熱戦が毎年、繰り広げられます。2023年(令和5年)には第60回の開催を数え、半世紀以上にわたって続く歴史のあるトーナメントです。
「東京よみうりカントリークラブ」は、多摩丘陵の自然豊かな場所に位置しており、都心からアクセスの良いゴルフ場です。コースはゴルフ場設計の第一人者である井上誠一氏の手によりデザインされ、自然の起伏を活かした丘陵コースで、戦略性が高いことから多くのゴルフファンを魅了しています。
- 目 次
「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の歴史

「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、日本テレビ放送網、読売新聞社、報知新聞社が主催し、JT(日本たばこ産業)が特別協賛する日本の男子プロゴルフトーナメントです。
このトーナメントは1963年(昭和38年)に日本オープン、日本プロ、関東オープン、関東プロ、関西オープン、関西プロの大会優勝者で戦う「ゴルフ日本シリーズ」として開催。1973年(昭和48年)よりトーナメント優勝者や賞金ランキング上位者が出場できるようになりました。
当初のトーナメント開催コースは、前半2日間を「大阪よみうりカントリークラブ 東コース」で行い、1日の移動日を挟んで後半2日間を「東京よみうりカントリークラブ」で行っていました。その後、1991年(平成3年)から1994年(平成6年)までは1年ごとに東京と大阪で交互に開催していましたが、1995年(平成7年)からは「東京よみうりカントリークラブ」のみで開催しています。
また、1988年(昭和63年)から日立製作所が協賛し、大会名が「ゴルフ日本シリーズ日立カップ」に変更。1998年(平成10年)からはJTの特別協賛に変わり、「ゴルフ日本シリーズJTカップ」という大会名になっています。
2024年(令和6年)の賞金総額は1億3千万円。優勝賞金は4,000万円となっています。
「ゴルフ日本シリーズJTカップ」
歴代チャンピオンの名勝負
「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で繰り広げられた名勝負をご紹介します。
プレーオフを制し優勝
羽川豊さん
(第18回大会:1981年)
1981年(昭和56年)の第18回大会、若き新鋭の羽川豊(はがわゆたか)さんが、青木功(あおきいさお)さんとのプレーオフを制し勝利を収めました。
最終日、単独首位の青木功さんに4打差の3位タイでスタートした羽川豊さん。前半にバーディーを3つ、後半に連続バーディーと3連続バーディーを決めると、一気に青木功さんを抜き去り、単独首位に躍り出ます。
一方、青木功さんは17番ホールでバーディーを沈めて羽川豊さんに追いつくと、最終18番ホールでパーパットを決め、プレーオフへと持ち込む展開に。プレーオフでは、1ホール目でバーディーを決めた羽川豊さんが栄冠を獲得。大会史上最年少(22歳363日)での優勝を記録しました。
なお、本大会は1日目と2日目が積雪により中止となったため、3日目と最終日の2日間36ホール競技に短縮されています。
気力を振り絞って優勝
丸山茂樹さん
(第34回大会:1997年)
第34回大会の勝者となった丸山茂樹(まるやましげき)さんは、大会3日目に専属キャディが緊急入院するアクシデントと、自身の体調不良が重なる中、気力を振り絞っての優勝となりました。3日目よりも体調が悪化し、歩くのが精いっぱいだったと試合後にコメントしていたほどの丸山茂樹さん。
最終日は首位タイに4人が並ぶ大混戦の中、先行してバーディーを奪うも尾崎建夫(おざきたてお)さんの追撃に遭います。後半は尾崎建夫さんとのデッドヒートを展開しますが、終盤に連続バーディーを2度奪った丸山茂樹さんが、通算16アンダーで逃げ切って優勝。キャディの入院と自身の体調不良に苦しむ中で戦い抜き、勝利をもぎ取りました。
大会3連覇を達成
藤田寛之さん
(第47~49回大会:2010~2012年)
1年間の総決算とも言える男子プロゴルフツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。藤田寛之(ふじたひろゆき)さんは第47~49回大会において、3年連続優勝を記録しました。
第47回大会では、最終日の前半にブレンダン・ジョーンズさん、池田勇太(いけだゆうた)さん、平塚哲二(ひらつかてつじ)さんの3選手に追いつかれる大混戦を呈します。さらに後半には谷口徹(たにぐちとおる)さんの猛追を受けますが、17番ホールでイーグルを奪い、2位に1打差で逃げ切って優勝を果たしました。
第48回大会の最終日、3位タイでスタートした藤田寛之さんは2つのイーグルを奪うなどして猛チャージ。単独首位の谷口徹さんを捕まえ、プレーオフに持ち込みます。プレーオフでは2ホール目をボギーとした谷口徹さんに対し、藤田寛之さんはパーを決めて優勝。大会連覇を果たしました。
そして第49回大会では、単独首位からスタートした最終日、他を寄せ付けず圧勝。大会史上初となる3連覇を達成すると共に、初の賞金王にも輝きました。
大会史上最年少Vを記録
蝉川泰果さん
(第60回大会:2023年)
蝉川泰果(せみかわたいが)さんはメモリアルイヤーとなる第60回大会で優勝し、第18回大会で優勝した羽川豊さんの大会史上最年少優勝記録(22歳363日)を22歳326日で更新しました。
通算13アンダー首位タイでスタートした最終日、蝉川泰果さん、中島啓太(なかじまけいた)さん、金谷拓実(かなやたくみ)さんとで三つ巴の戦いを展開。1打リードで迎えた最終18番ホール、蝉川泰果さんはパーを決めて逃げ切り、勝利を手にしました。
- 歴代優勝者・成績(スコア結果)
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開催年 選手名 Total 1R 2R 3R 4R 2023年(第60回) 蟬川泰果 265 67 64 66 68 2022年(第59回) 谷原秀人 268 66 67 70 65 2021年(第58回) 谷原秀人 268 68 67 64 69 2020年(第57回) C・キム 272 66 66 73 67 2019年(第56回) 石川遼 272 68 70 68 66 2018年(第55回) 小平智 272 66 74 68 64 2017年(第54回) 宮里優作 265 69 69 65 62 2016年(第53回) 朴相賢 267 66 65 71 65 2015年(第52回) 石川遼 266 68 68 63 67 2014年(第51回) 宮本勝昌 271 68 67 71 65 2013年(第50回) 宮里優作 267 66 66 64 71 2012年(第49回) 藤田寛之 262 61 66 68 67 2011年(第48回) 藤田寛之 200 66 70 64 - 2010年(第47回) 藤田寛之 265 65 70 64 66 2009年(第46回) 丸山茂樹 271 70 67 70 64 2008年(第45回) J・M・シン 268 64 70 68 66 2007年(第44回) B・ジョーンズ 269 70 70 68 61 2006年(第43回) J・M・シン 269 67 65 67 70 2005年(第42回) 今野康晴 269 72 67 63 67 2004年(第41回) P・シーハン 266 69 65 66 66 2003年(第40回) 平塚哲二 264 66 68 63 67 2002年(第39回) 片山晋呉 261 62 66 66 67 2001年(第38回) 宮本勝昌 268 72 64 66 66 2000年(第37回) 片山晋呉 271 69 67 67 68 1999年(第36回) 細川和彦 270 63 74 69 64 1998年(第35回) 宮本勝昌 275 64 67 75 69 1997年(第34回) 丸山茂樹 268 70 63 68 67 1996年(第33回) 尾崎将司 262 62 68 65 67 1995年(第32回) 尾崎将司 272 66 67 71 68 1994年(第31回) 佐々木久行 270 68 66 70 66 1993年(第30回) 中嶋常幸 270 69 65 69 67 1992年(第29回) 陳志明 280 72 70 66 72 1991年(第28回) 尾崎直道 268 71 65 66 66 1990年(第27回) 尾崎直道 275 71 69 64 71 1989年(第26回) 大町昭義 278 70 73 69 66 1988年(第25回) 尾崎直道 275 69 70 68 68 1987年(第24回) 青木功、D・イシイ 138 67 71 - - 1986年(第23回) 中村通 275 70 70 66 69 1985年(第22回) 尾崎健夫 279 72 69 67 71 1984年(第21回) 中村通 267 66 66 67 68 1983年(第20回) 青木功 281 70 71 66 74 1982年(第19回) 中嶋常幸 283 72 72 66 73 1981年(第18回) 羽川豊 135 70 65 - - 1980年(第17回) 尾崎将司 283 72 72 71 68 1979年(第16回) 青木功 276 68 71 66 71 1978年(第15回) 青木功 282 69 69 73 71 1977年(第14回) 尾崎将司 275 74 66 68 67 1976年(第13回) 前田新作 285 72 70 72 71 1975年(第12回) 村上隆 283 70 72 71 70 1974年(第11回) 尾崎将司 280 73 69 70 68 1973年(第10回) 杉原輝雄 276 71 70 67 68 1972年(第9回) 尾崎将司 287 71 73 73 70 1971年(第8回) 尾崎将司 284 70 72 72 70 1970年(第7回) 杉原輝雄 284 69 73 69 73 1969年(第6回) 杉本英世 291 71 75 69 76 1968年(第5回) 河野高明 283 71 70 71 71 1967年(第4回) 河野高明 281 67 70 72 72 1965年(第3回) 杉原輝雄 284 70 71 70 73 1964年(第2回) 陳清波 284 75 68 69 72 1963年(第1回) 石井朝夫 288 80 68 70 70
「東京よみうり カントリークラブ」
コースの特徴

「東京よみうりカントリークラブ」のホールは、全長7,024ヤード、パー72。多摩丘陵の自然な起伏を活かしたレイアウトが特徴的で、適度なアップダウンが施されており、飛距離だけでなく正確性も求められるゴルフコースです。コース内には、池やバンカー、樹木などの自然の地形が巧みに配置されており、プレーヤーの攻略を難しくしています。
そのため、ティーショットの方向や距離、セカンドショットの正確性など、プレーヤーの力量や戦略によって、様々な攻め方ができるコースと言えるでしょう。
「東京よみうり カントリークラブ」
攻略のポイント
ポイント 1フェアウェイをキープする
「東京よみうりカントリークラブ」のフェアウェイは広く、距離も十分にあるので、飛距離のあるゴルファーにとっては比較的攻略しやすいと言えます。しかし、グリーンが小さく、アンジュレーションがきついため、まずはフェアウェイをキープすることが重要です。
ポイント 2グリーンを狙いすぎない
「東京よみうりカントリークラブ」のグリーンは狙いすぎると、オーバーやショートなどのミスが出やすくなります。まずはグリーン周りのバンカーや池を避けて、セカンドを打てる位置にボールを運ぶことを意識しましょう。
ポイント 3池やバンカーの存在を意識する
「東京よみうりカントリークラブ」には、いたるところにバンカーや池が配置されています。ミスショットによる大きなロスを招かないようにバンカーや池の存在を常に意識してプレーすることが大切です。
例えば、セカンドショットでは、グリーンを狙いすぎずにセーフティーをとることを意識します。また、グリーン周りでは、池やバンカーにボールが落ちたとしても、リカバリーできる可能性を残すために、ピンに対して少しオーバー目で打つなど、工夫しましょう。
- ゴルフコース・ゴルフ練習場・
クラブハウス内の概要 -
ゴルフコース ホール数 総ヤード数 パー コースレート カート 18 7,024 72 73.3 5人乗りカート ゴルフ練習場 屋外練習場 距離:256ヤード(打席数:18打席)
クラブハウス内 お風呂 レストラン 浴室、パウダールーム 営業時間:平日 6時30分~17時20分
土日祝 6時30分~18時コンペルーム 娯楽施設 ・特別室:8名
・5室:12~16名ハウス売店、コース売店
- 施設情報
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施設名 東京よみうり カントリークラブ 所在地 〒206-0822 東京都稲城市阪浜685 電話番号 044-966-8000 アクセス
まとめ:
ゴルフプレーなら、東京よみうり カントリークラブへ
「東京よみうりカントリークラブ」のコースレイアウトは非常に巧妙で、戦略性が高いことが魅力のひとつです。巧みに配置されたバンカーや池が、緊張感を持ったプレーを味わわせてくれます。コース内には、豊かな自然が広がり、四季折々の美しい景色を楽しむことができるため、プレーの緊張感をほぐしてくれるでしょう。
毎年12月に行われる「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、歴史ある大会としても知名度があり、数々の名勝負が繰り広げられてきました。このコースでのプレーは、ゴルフを楽しむだけでなく、スポーツの豊かな歴史と伝統に触れる経験ができることでしょう。